北海道産酒BARかま田:道産酒300種類以上!圧巻の取り揃えでお迎えします

お酒の蘊蓄

秋の旬酒「ひやおろし」の季節到来!「秋上がり」との意味合いの違い!酒匠&北海道ソムリエ 鎌田 孝

◆親びんの蘊蓄コーナー◆

■秋の酒といえば「ひやおろし」!■
~「秋上がり」とは何が違うの?~

さて、秋の旬酒「ひやおろし」を解説しましょう!
ちなみに「秋上がり」とも呼ばれますが実は意味合いが違うんです
中身は同じですが違うんですよ!ご存じでしたでしょうか?!

その辺りも紐解きます!

北海道も少しずつ秋の気配を感じる季節になってきましたね。

秋になると、酒屋さんや飲食店に並び始めるのが、そう!

「ひやおろし」です。

日本酒好きの方なら一度は聞いたことがあると思いますが、

「ひやおろしって、普通の日本酒と何が違うの?」

「冷たい日本酒のこと?」

「秋上がりとは同じなの?」

実は、このあたりは意外と知られていないんですよね。

今回は、秋の日本酒をより楽しむために、親びん流に少し詳しくお話ししたいと思います。

◆そもそも「ひやおろし」って何?

一般的に「ひやおろし」と呼ばれる日本酒は、冬から春にかけて造られた新酒を一度火入れし、夏の間じっくり熟成させ、秋になってから二度目の火入れをせずに出荷する酒を指します。

ポイントは、

「一度火入れして、夏を越して、秋に二度目の火入れをせずに出荷する」

というところです。

昔は、春先に搾った新酒を火入れして大きな酒蔵のタンクなどで貯蔵し、暑い夏を越して熟成させていました。

そして秋。

外気温と貯蔵酒の温度が近くなった頃に、タンクから「冷や」のまま樽や瓶などに詰めて出荷する。

これが、

「ひや」のまま「おろす」

つまり、

「ひやおろし」

と呼ばれるようになった由来です。

ここでいう「ひや」は、冷たい酒という意味ではありません。

「火入れをしていない状態」という意味合いから来ていると考えると分かりやすいですね。

◆なぜ秋まで待つの?

ここが、ひやおろしの一番面白いところです。

春先に搾ったばかりの新酒は、フレッシュで若々しく、香りも味わいも元気いっぱい。

それはそれで新酒の魅力なんですが、時間をかけて熟成させることで、酒の角が取れていきます。

夏を越す頃には、

新酒特有の荒々しさが落ち着き、米の旨味と甘味、酸味などが馴染み、まろやかでふくらみのある味わい

へと変化していきます。

いわば、

「春の若武者が、夏を越して秋には貫禄を身につける」

そんなイメージでしょうか(笑)。

だからこそ、秋のひやおろしには、新酒とは違った「熟成による旨さ」があるんです。


◆「ひやおろし」と「秋上がり」は同じなの?

ここは、お客様からもよく聞かれるところです。

結論から言うと、

「ひやおろし」と「秋上がり」は、厳密には同じ意味ではありません。

「ひやおろし」は、基本的に製法・出荷方法に関する呼び方。

一方の「秋上がり」は、夏を越して秋になり、酒質が良い方向に熟成・調和した状態を表す言葉です。簡単に言うと蔵での状態です。

つまり、

ひやおろし=どのように出荷するか
秋上がり=夏を越して、酒がどのように成長したか

という違いで考えると分かりやすいと思います。


◆「秋上がり」は、すべての酒がなるわけではない?

そうなんです。

ここも大事なポイント。

日本酒は、同じように夏を越したからといって、必ずしもすべてのお酒が「秋上がり」になるわけではありません。

酒造りの方法、原料米、精米歩合、酵母、酸、アルコール度数、貯蔵温度など、さまざまな条件によって熟成後の酒質は変わります。

夏を越して、

「香味がより調和した」

「旨味が増した」

「まろやかになった」

「味にふくらみが出た」

など、秋になって酒質が良い方向に上がった状態。

これが「秋上がり」です。

逆に、熟成によって必ずしも良い方向に変化しなかった場合には、「秋上がり」とは言いにくいわけです。

だから私は、「ひやおろしだから旨い」ではなく、「その酒がどんなふうに夏を越したのか」を楽しむのが秋酒の醍醐味だと思っています。


◆ひやおろしは「冷や」で飲むもの?

これもよくある誤解です。

名前に「ひや」と入っていますが、ひやおろし=冷酒限定

ではありません!

むしろ、秋のひやおろしは温度を変えて楽しんでいただきたいお酒です。

例えば、

10~15℃くらいなら、熟成による穏やかな香りや繊細な味わいを楽しめます。

15~20℃くらいの常温になると、米の旨味やふくらみがより感じやすくなる酒もあります。

そして、ぬる燗(40℃前後)

にしてみると、旨味や酸味がぐっと広がるタイプもあります。

もちろん、すべてのお酒が同じではありません。

だからこそ、

「この酒は何℃が一番旨いんだ?」

と探してみるのも、酒飲みの楽しみなんですよね(笑)。


◆秋の味覚との相性は抜群!

そして、ひやおろしの季節にぜひ楽しんでいただきたいのが、

秋の味覚とのペアリング。

秋鮭、きのこ、さんま、いくら、栗、かぼちゃ、じゃがいも……。

北海道には、秋に旨くなる食材がたくさんあります。

夏酒のような軽快で爽やかな酒もいいですが、秋には少し味わいにふくらみのある酒を合わせると、料理との相性がさらに面白くなります。

例えば、

秋鮭 × 旨味のあるひやおろし

きのこ料理 × 穏やかな香りの純米酒

焼き魚 × まろやかな熟成酒

醤油や味噌を使った料理 × 旨味のしっかりしたひやおろし

など。

秋の食材と秋の酒。

これはもう、日本酒好きにはたまりません!


◆親びん流「ひやおろし」の楽しみ方

私が皆さんにおすすめしたいのは、

「春の新酒」と「秋のひやおろし」を飲み比べてみること。

同じ蔵、同じ酒でも、時間が経つことで香りや味わいがどのように変化するのか。

これを比べてみると、日本酒が「生き物」のように変化していく面白さを感じてもらえると思います。

春にはフレッシュで若々しかった酒が、夏を越して秋になると、まろやかになり、旨味が増している。

その変化を楽しむのも日本酒の大きな魅力です。


◆北海道の秋は、北海道の酒で!

北海道は米どころとしても大きく進化しています。

「吟風」「彗星」「きたしずく」など、北海道ならではの酒米を使った日本酒も増え、北海道の酒蔵それぞれが個性豊かな酒を造っています。

そして秋。

北海道の豊かな食材と、北海道の酒。

これほど相性のいい組み合わせはありません。

皆さんも今年の秋は、ぜひ「ひやおろし」を見つけたら、

「これはどんなふうに夏を越したんだろう?」

「冷やすとどうなる?燗にするとどうなる?」

「秋の料理と合わせたらどうなる?」

そんなことを考えながら、一杯やってみてください。

日本酒は、季節によって楽しみ方が変わります。

春は新酒、夏は夏酒、秋はひやおろし、冬は燗酒。

四季のある日本だからこそ楽しめる、日本酒の素晴らしい文化です。

さあ皆さん!今年の秋も、「北海道の酒で乾杯!」


北海道ソムリエ 鎌田孝

関連記事

PAGE TOP